宿り木キャラクター日記 ~高木さん家2~

日常記録
アルフの場合







癒しの娘

久々に学生棟の小童共を相手にしたから疲れたわい。

こんなときは口直し……いや、この場合は目直しか?

何はともあれ可愛いエルの顔を拝むに限るな。

それにしても、まさか本当にあの娘が学園に

入るとはなぁ。

もう、卒業研修をやる年だとさ。

ついこの間、歩き始めたと思っとったのに……。

わしも年を取るはずじゃ。

しかし薬草を良く知っている人の元で研修したいとわしに

聞いてきたのは、確信犯なんじゃろうかのぅ?

そう考えるのは、わしの考え過ぎなんじゃろうか?

入学のキッカケがわしではなく、グランだというのが

気にくわんが、他でもないエルの頼みだ。

叶えてやるのが男気ってもんじゃな。







提案という名の強制

早速グランに打診という名の命令をしてきたぞ。

アヤツめ、素直に了承したと思ったら

碌なことを言わぬ…。

今回のことは、アヤツにとっても良い方向に行くと良いの

だがな。

まぁ、オナゴには愛想が言えるようだから、エルに

対してもヒドイことはしないだろう。







嘆願書

今日、弟子たちから嘆願書がきた。

グランをどうにかしてくれと……。

原因は言わずもがな……エルのことだろうな。

アヤツもまだ大人になりきれておらんな。

ハッハッハッハ。

ま、八つ当たりされる側にはたまったものでは

ないがのぅ。相手の気にしているところを

ピンポイントでついてくる上、

それが間違っていないから性質が悪い。

一体誰に似たのだろうかのぅ。







初日

今日からグランの元でエルが働く。

当事者でもないのに、緊張してきたぞ。

あとで、こっそり覗いてみようか……はっ、しまった。

今日は診察日だから、そんな時間は取れそうにもないぞ。

うーん。どうしたものか……。







消えた本現る

久々に図書館へ調べ物に行くと、司書の機嫌がすこぶる

良かった。なんでも行方不明だった本が、

突然戻ってきたらしい。

大方、返し忘れた奴が慌てて返しにきたのだろう。

その中には、随分前からわしが探していた本もあった。

追加を頼もうと思っていたのだが、頼む前に返ってきて

くれて良かったわい。これで予算がどうとか、チクチク

言われんですむ。

全く、わしが一番エライはずなのにのぅ。







エルの人気

しまった想定外だ。

人を寄せつけないグランに弟子ができたことが

話題になっているらしい。

全く暇人なヤツらだ。エルは大丈夫かのぅ? 

いっそのこと、わしの知り合いだと公表するべきかのぅ? 

だが、エルはその手の扱いが嫌だと言っていたし…。

うーん、どうしたものか…。







養い子

今日は久々にグランの部屋に行ったぞ。

過保護だと言われても、エルのことが心配だったのだ。

しかしわしの気にしすぎだったようじゃの。

グランの冷たい視線に立ち向かえるモンはおらんことを

忘れておったわい。

エル見たさにやってきた奴らがみんなスゴスゴと

帰っていく姿は実に爽快じゃ。

それにしてもアヤツのエルに対する態度は随分と冷たい。







孫のような娘

エルがグランの愚痴でも言いにくるかと思ったが

随分上手くいっているようじゃ。

全く顔を見せに来る暇もないのかのぅ…。

あの娘はそういう男心がわかっとらん。

この間、廊下で会ったときだってそうじゃ。

男には気をつけろと言ったら、キョトンとした

顔をしておってからに。まだまだ子供じゃな。

安心していいのか、心配した方がいいのか……。

わしの心配の種は増えるばかりじゃのぅ







ご報告

あの人は孫娘が心配じゃないんだろうかのぅ?

せっかくエルのことを教えてやったというのに、

そんなことより薬草の確認しろだとさ。

仕事を先に片付けないと、ノンビリできないところは

相変わらずだのぅ。

本来の目的がそれだから仕方ないとはいえ、もう少

し興味を持ってくれても良いと思うのだがなぁ。









最近グランが引っ越すという噂が飛び交っている。

わしは聞いていないぞ、そんなこと!

だが、あの書類だらけの部屋が片付いているというのは

引っ越ししかないだろうな。

ということは本当に引っ越しをするのか?

まぁ、わしの部屋もえらいことになってはいるがの。

引っ越しか…、いい手だな。わしもするかのぅ…。







噂の真相

真意を確かめにグランのところへ行ってみたら、

確かに室内は片付いていた。

だが、どうもエルのおかげのようじゃな。

すごいのぅ。

一体あの書類の数をどうやって片付けたのだろう

か? グランも不思議そうな顔をしておったわい。

エルに頼めばわしの部屋の書類も片付くだろうかのぅ?

最近年をとったせいか、どこに書類を置いたか

忘れてしまことが多くなったからのぅ。

今度頼んでみるか。







小さな患者

今日は幼い患者が多かった。

最近、朝晩の温度差が激しいから

子供たちにはきつかったのかもしれんのぅ。

診察が終わってから、飴をやったら喜んで帰って

行ったわい。辛そうな顔して来る子供たちが

少しでも笑顔を取り戻すと、疲れなんか

一気に吹き飛ぶ。やはり子供には笑顔が一番じゃ。

アヤツの笑顔も昔は可愛かったのにのぅ……。

今じゃ薄ら寒いだけじゃ(笑)







ステラの飴

昨日売れに売れた飴を補充するためにステラのところへ

行ったら怒られた。なぜじゃ? なぜ、ステラはわしの

顔を見ると小言から始めるのじゃ。

わしのどこがだらしないのかのぅ?

白衣はよれよれじゃが、キレイだし。

髪だって、ボサボサだが

毎日洗っておるのに……。全くもって心外じゃ。

今度逆に文句を言ってみるか?

だが逆襲にあいそうだの(泣)







子供の成長

廊下を歩いていたら、グランに会った。

昔は手負いの仔犬のように威嚇ばかりしていた子供が

今では一癖ある人間に育つんだから、

わしも年を取ったのぅ。

しかし、あれだけ女性には優しいはずなのにエルに

対しては非情とも言えるほど冷たく接しているのは

なぜなんだろうか? 弟子には冷たくすると言うのが、

グランなりの考えなのかのぅ?

アヤツもアヤツなりにエルを育てようとしてくれて

いるのかもしれん







薬剤部の重鎮

埃まみれのわしの部屋になんぞ入りたくもないわっ!!

そう豪語していたアルトが珍しくわしの部屋に来た。

潔癖症の奴が珍しいと思ったら、グランに助手を

取らせたのがわしかどうか知りたかったらしい。

グランの直属の上司に一言通さなかったのはまずかったか

と一瞬焦ったが、違ったようじゃ。

長生きしてみるもんじゃの。

鉄面皮の名に相応しいアルトが微かに頬を

緩ませておったわい。

どうやら最近までグランの顔色が悪くて

心配していたらしい。

アヤツを心配する人間がいることがわかって、

我がことのように嬉しくなったのは、

ここだけの秘密じゃな。







落雷

いやはや、相変わらずステラの雷はおっかないのぅ。

なんぞ、機嫌でも悪かったのかのぅ。

ちーとばかし飴を取りに行くのを忘れただけで、

あんなに怒るとは。

それにしても、そんなにわしの部屋は汚いかのぅ。

ちゃんと足の踏み場はあるし、食べ物関係だって

置いてないのに。

食べ物は腐るからイカンな。

前に置いておいたら偉い目にあったわい。







養い子のモノは親のモノ

どいつもこいつも、わしの部屋に文句を

言いおってからに。

こうなったら目にもの見せてやるわい!!

早速、エルを拝借しようとグランのところへ行ったら、

おもしろいものが見れたぞ。

飄々と、そのままエルをお返しします。

なんて言っておったが、

わしの目は誤魔化されんぞ。(笑)

アヤツめエルを貸すことを少し躊躇ったわい。

ふふふ、良い感じじゃ。







近況報告

やっぱり、オナゴは母親に似るんじゃな。

(と言っても厳密には祖母じゃが…。)

エルの怒り方が、あの人そっくりじゃった(恐)

エルを怒らすのはやめておいた方が良いな。うん。

それにしても、エルはグランを褒めすぎでは

なかろうか? やれ、記憶力がいいとか。

手際が良いとか。気配り上手とか…。

しまいには照れ屋で可愛いだと? 一体エルは

誰のことを言っているのかと疑問に

思ってしまったぞ(笑)

アヤツにそんな可愛げなんぞあったかのぅ?







志願者

グランの奴めモテ期到来か?

エルが順調にアヤツの助手になれているのを見てか、

グランの助手になりたい奴が最近よくわしの

ところへ来る。年上だけかと思っていたら案外、

同年代の奴からも好意を持たれておったんじゃのぅ。

だが、それとこれとは話が別じゃ。

卒業研修が終わるまで、グランの助手はエルの専属に

しておかんとな。代わりにわしの助手にならんかと

聞いてみたら、あの小童共め蜘蛛の子散らすように

逃げだしやがったわい…。

もしかして、わしは嫌われておるのか(泣)









理不尽じゃー。

グランの部屋が元に戻ったのはわしのせいじゃないぞ。

それなのに、エルはわしのせいだと怒りよる。

グランめ、エルに早く帰ってきて欲しいから

ってわざと部屋を汚したな。ふふふ、わしにはわかるぞ。

口では邪魔だ邪魔だなんて言っておるが、すでに

エルなしじゃダメな身体になってきておるわい。

早く認めてしまえば良いのに…。全く難儀な奴だ。

はぁー、それにしてもどうすればエルの機嫌は

直るんじゃろうか?

わしの部屋もまだ片付けきれておらんと言うのに……。







アンラッキー

ここのところ不運続きじゃ。

なんで、こんなにわしが怒られなければならないのじゃ?

今日だって、久々に食堂で温かい昼食を食おうとしたら、

食事と一緒にステラの小言が出てきたんだぞ。

美味い飯も不味くなる。

なんでグランが飯を食いに来なくなったのが、

わしのせいじゃと言うのじゃ。

んなこと、アヤツの勝手だろうが。

何でもかんでもわしのせいにしおってからに。

グランもグランじゃ! エルがいなくなった途端に

不摂生な生活をしおって。これじゃあ、妻に逃げられて

何もできなくなった夫と同じじゃないか…

ほんにアヤツには困ったもんじゃ。







嘆願書Ⅱ

また弟子たちから嘆願書を貰った。

今回もグランについてじゃ。

エルが助手になってから

体調も仕事も順調らしく機嫌が良いらしい。

確かに顔色は良かったのぅ。

しかも厭味もなく、逆に労いの言葉すら言うように

なったとか…

わしは、そんな言葉を貰ったことがないぞ(怒)

だが、なんでそんなことで嘆願書を貰わねばならぬのだ。

良いことではないか? と思ったら続きがあったわい。

なんでも、言葉と一緒に向けられる笑顔が問題らしい。

って、んなことわしが知るかー!!







薬の補充

そろそろニワハジとタチシナを補充した方が良いな。

以前はグランに直接言えば良かったのだが、

エルが来てからは受注用紙を書いて

渡さねばならんとは……なんとも、面倒くさい。

アヤツなら書かなくても何も言われんから

良いのだがのぅ。なぜ、わしの周りにいるオナゴは

みんなブチブチ言うのか?

はぁ、仕方ない書くとするか。







訪問診療

明日は週1度の訪問診療じゃ。

もっと王都から出たいものだが、そんな時間もない……。

だが昔よりは幾分改善されたはずじゃ。

学園の卒業生たちも方々で開業しとるし、

これからじゃな。

明日に備えて今日は早く寝るとするかのぅ。

そういえば、弟子の中に明日行く村の出身者が

いたはずじゃ。

里帰りする暇もないじゃろうから、

一緒に連れて行くことにするかのぅ。







想定外

思っていたよりも、風邪が蔓延しておったわい。

最近、朝晩の気温の差が激しかったからのぅ。

小さな子供や年寄りが、乗り切るには

難しかったのかもしれん。

今回の風邪は熱が高くなるようだな。

これからもっと、患者が増えるだろう。

早いところ、

ニワハジを補充しておいた方がよさそうだな。

帰ったらその足で、グランの部屋へ行くとするか。







書類の山

エルに整理してもらったというのに、

すでに書類の山が3つもできとるのは

どういうことなんじゃ?

あぁ、これは今日中に提出せんといかん奴だ。

だいたいわしは机に向かっているよりも一人でも

多くの患者を診たいのに……世の中

上手くいかんもんじゃな。

そう言えば、エルにも納品日変更の書類を

渡してやらなきゃいけないんだった……。

もしや、グランよりもわしの方が

助手が必要なんではないじゃろうか?







会議

くっそー、あの狸どもめが!

何が授業料増額じゃ!

そんなことをしたら、今以上に医者を目指そうとする

モンが少なくなるじゃろうがっ!!

しかも王都外への訪問診療をするための予算を削減すると

ほざきおったわい。

金なんてもんは、

持ってる奴から大量にふんだくればいいんじゃ。

何か対策をせんとな。

おめおめと狸らの言いなりになってたまるかっ!

創設者様だぞ、わしは。







納品日

納期期日を早めた薬草をエルが持ってきた。

いつもに増して楽しそうなエルを不思議に思い、

理由を聞いてみるとシオンがアヤツの部屋に遊びに

来ているらしい。あの坊主め、わしに挨拶する前に

グランの部屋に行くとは……。

相変わらずじゃな。

シオンが来たから普段と違うアヤツが見られたと

嬉しそうに話すエルに免じて嫌味を言うだけに

しておくかのぅ。

それにしても、シオンごときでアヤツの態度が

変わるはずはないんじゃがのぅ?

エルは一体何を見たんだ?







シオン

あの坊主め。

すぐに来るかと思えば、1日遅れで挨拶に来おったわい。

しかもわしの顔を見て噴出しおって。

自然と手が出たのは、わしのせいではないぞ。

だが、その後聞いたシオンの話に、わしも腹を抱えて

笑ってしまった。

まさかエルを男だと思っていたとはのぅ。

あー、アヤツの顔を見に行きたい!!

しかし今日は時間が取れん。

くっそー、明日までのお預けじゃな。







養い子と孫娘

アヤツのあんな姿、初めて見たわい。

頬を赤らめ、視線は定まらず。

だが、エルが他所を向いているときは、じっと

エルの方を見ておる。ありゃ、一歩間違えれば

変質者か何かじゃな(笑)

エルはエルで、なぜ何も問わないんじゃ?

明らかに変だろうに……。

普段通りの様子にわしの方が驚いたわい。

はてさて、この二人はこれからどうなるのかのぅ。

老後の楽しみがまた1つ増えたわい。









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