日常記録
アルフの場合
癒しの娘
久々に学生棟の小童共を相手にしたから疲れたわい。 こんなときは口直し……いや、この場合は目直しか? 何はともあれ可愛いエルの顔を拝むに限るな。 それにしても、まさか本当にあの娘が学園に 入るとはなぁ。 もう、卒業研修をやる年だとさ。 ついこの間、歩き始めたと思っとったのに……。 わしも年を取るはずじゃ。 しかし薬草を良く知っている人の元で研修したいとわしに 聞いてきたのは、確信犯なんじゃろうかのぅ? そう考えるのは、わしの考え過ぎなんじゃろうか? 入学のキッカケがわしではなく、グランだというのが 気にくわんが、他でもないエルの頼みだ。 叶えてやるのが男気ってもんじゃな。 |
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提案という名の強制
早速グランに打診という名の命令をしてきたぞ。 アヤツめ、素直に了承したと思ったら 碌なことを言わぬ…。 今回のことは、アヤツにとっても良い方向に行くと良いの だがな。 まぁ、オナゴには愛想が言えるようだから、エルに 対してもヒドイことはしないだろう。 |
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嘆願書
今日、弟子たちから嘆願書がきた。 グランをどうにかしてくれと……。 原因は言わずもがな……エルのことだろうな。 アヤツもまだ大人になりきれておらんな。 ハッハッハッハ。 ま、八つ当たりされる側にはたまったものでは ないがのぅ。相手の気にしているところを ピンポイントでついてくる上、 それが間違っていないから性質が悪い。 一体誰に似たのだろうかのぅ。 |
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初日
今日からグランの元でエルが働く。 当事者でもないのに、緊張してきたぞ。 あとで、こっそり覗いてみようか……はっ、しまった。 今日は診察日だから、そんな時間は取れそうにもないぞ。 うーん。どうしたものか……。 |
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消えた本現る
久々に図書館へ調べ物に行くと、司書の機嫌がすこぶる 良かった。なんでも行方不明だった本が、 突然戻ってきたらしい。 大方、返し忘れた奴が慌てて返しにきたのだろう。 その中には、随分前からわしが探していた本もあった。 追加を頼もうと思っていたのだが、頼む前に返ってきて くれて良かったわい。これで予算がどうとか、チクチク 言われんですむ。 全く、わしが一番エライはずなのにのぅ。 |
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エルの人気
しまった想定外だ。 人を寄せつけないグランに弟子ができたことが 話題になっているらしい。 全く暇人なヤツらだ。エルは大丈夫かのぅ? いっそのこと、わしの知り合いだと公表するべきかのぅ? だが、エルはその手の扱いが嫌だと言っていたし…。 うーん、どうしたものか…。 |
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養い子
今日は久々にグランの部屋に行ったぞ。 過保護だと言われても、エルのことが心配だったのだ。 しかしわしの気にしすぎだったようじゃの。 グランの冷たい視線に立ち向かえるモンはおらんことを 忘れておったわい。 エル見たさにやってきた奴らがみんなスゴスゴと 帰っていく姿は実に爽快じゃ。 それにしてもアヤツのエルに対する態度は随分と冷たい。 |
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孫のような娘
エルがグランの愚痴でも言いにくるかと思ったが 随分上手くいっているようじゃ。 全く顔を見せに来る暇もないのかのぅ…。 あの娘はそういう男心がわかっとらん。 この間、廊下で会ったときだってそうじゃ。 男には気をつけろと言ったら、キョトンとした 顔をしておってからに。まだまだ子供じゃな。 安心していいのか、心配した方がいいのか……。 わしの心配の種は増えるばかりじゃのぅ |
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ご報告
あの人は孫娘が心配じゃないんだろうかのぅ? せっかくエルのことを教えてやったというのに、 そんなことより薬草の確認しろだとさ。 仕事を先に片付けないと、ノンビリできないところは 相変わらずだのぅ。 本来の目的がそれだから仕方ないとはいえ、もう少 し興味を持ってくれても良いと思うのだがなぁ。 |
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噂
最近グランが引っ越すという噂が飛び交っている。 わしは聞いていないぞ、そんなこと! だが、あの書類だらけの部屋が片付いているというのは 引っ越ししかないだろうな。 ということは本当に引っ越しをするのか? まぁ、わしの部屋もえらいことになってはいるがの。 引っ越しか…、いい手だな。わしもするかのぅ…。 |
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噂の真相
真意を確かめにグランのところへ行ってみたら、 確かに室内は片付いていた。 だが、どうもエルのおかげのようじゃな。 すごいのぅ。 一体あの書類の数をどうやって片付けたのだろう か? グランも不思議そうな顔をしておったわい。 エルに頼めばわしの部屋の書類も片付くだろうかのぅ? 最近年をとったせいか、どこに書類を置いたか 忘れてしまことが多くなったからのぅ。 今度頼んでみるか。 |
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小さな患者
今日は幼い患者が多かった。 最近、朝晩の温度差が激しいから 子供たちにはきつかったのかもしれんのぅ。 診察が終わってから、飴をやったら喜んで帰って 行ったわい。辛そうな顔して来る子供たちが 少しでも笑顔を取り戻すと、疲れなんか 一気に吹き飛ぶ。やはり子供には笑顔が一番じゃ。 アヤツの笑顔も昔は可愛かったのにのぅ……。 今じゃ薄ら寒いだけじゃ(笑) |
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ステラの飴
昨日売れに売れた飴を補充するためにステラのところへ 行ったら怒られた。なぜじゃ? なぜ、ステラはわしの 顔を見ると小言から始めるのじゃ。 わしのどこがだらしないのかのぅ? 白衣はよれよれじゃが、キレイだし。 髪だって、ボサボサだが 毎日洗っておるのに……。全くもって心外じゃ。 今度逆に文句を言ってみるか? だが逆襲にあいそうだの(泣) |
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子供の成長
廊下を歩いていたら、グランに会った。 昔は手負いの仔犬のように威嚇ばかりしていた子供が 今では一癖ある人間に育つんだから、 わしも年を取ったのぅ。 しかし、あれだけ女性には優しいはずなのにエルに 対しては非情とも言えるほど冷たく接しているのは なぜなんだろうか? 弟子には冷たくすると言うのが、 グランなりの考えなのかのぅ? アヤツもアヤツなりにエルを育てようとしてくれて いるのかもしれん |
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薬剤部の重鎮
埃まみれのわしの部屋になんぞ入りたくもないわっ!! そう豪語していたアルトが珍しくわしの部屋に来た。 潔癖症の奴が珍しいと思ったら、グランに助手を 取らせたのがわしかどうか知りたかったらしい。 グランの直属の上司に一言通さなかったのはまずかったか と一瞬焦ったが、違ったようじゃ。 長生きしてみるもんじゃの。 鉄面皮の名に相応しいアルトが微かに頬を 緩ませておったわい。 どうやら最近までグランの顔色が悪くて 心配していたらしい。 アヤツを心配する人間がいることがわかって、 我がことのように嬉しくなったのは、 ここだけの秘密じゃな。 |
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落雷
いやはや、相変わらずステラの雷はおっかないのぅ。 なんぞ、機嫌でも悪かったのかのぅ。 ちーとばかし飴を取りに行くのを忘れただけで、 あんなに怒るとは。 それにしても、そんなにわしの部屋は汚いかのぅ。 ちゃんと足の踏み場はあるし、食べ物関係だって 置いてないのに。 食べ物は腐るからイカンな。 前に置いておいたら偉い目にあったわい。 |
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養い子のモノは親のモノ
どいつもこいつも、わしの部屋に文句を 言いおってからに。 こうなったら目にもの見せてやるわい!! 早速、エルを拝借しようとグランのところへ行ったら、 おもしろいものが見れたぞ。 飄々と、そのままエルをお返しします。 なんて言っておったが、 わしの目は誤魔化されんぞ。(笑) アヤツめエルを貸すことを少し躊躇ったわい。 ふふふ、良い感じじゃ。 |
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近況報告
やっぱり、オナゴは母親に似るんじゃな。 (と言っても厳密には祖母じゃが…。) エルの怒り方が、あの人そっくりじゃった(恐) エルを怒らすのはやめておいた方が良いな。うん。 それにしても、エルはグランを褒めすぎでは なかろうか? やれ、記憶力がいいとか。 手際が良いとか。気配り上手とか…。 しまいには照れ屋で可愛いだと? 一体エルは 誰のことを言っているのかと疑問に 思ってしまったぞ(笑) アヤツにそんな可愛げなんぞあったかのぅ? |
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志願者
グランの奴めモテ期到来か? エルが順調にアヤツの助手になれているのを見てか、 グランの助手になりたい奴が最近よくわしの ところへ来る。年上だけかと思っていたら案外、 同年代の奴からも好意を持たれておったんじゃのぅ。 だが、それとこれとは話が別じゃ。 卒業研修が終わるまで、グランの助手はエルの専属に しておかんとな。代わりにわしの助手にならんかと 聞いてみたら、あの小童共め蜘蛛の子散らすように 逃げだしやがったわい…。 もしかして、わしは嫌われておるのか(泣) |
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雷
理不尽じゃー。 グランの部屋が元に戻ったのはわしのせいじゃないぞ。 それなのに、エルはわしのせいだと怒りよる。 グランめ、エルに早く帰ってきて欲しいから ってわざと部屋を汚したな。ふふふ、わしにはわかるぞ。 口では邪魔だ邪魔だなんて言っておるが、すでに エルなしじゃダメな身体になってきておるわい。 早く認めてしまえば良いのに…。全く難儀な奴だ。 はぁー、それにしてもどうすればエルの機嫌は 直るんじゃろうか? わしの部屋もまだ片付けきれておらんと言うのに……。 |
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アンラッキー
ここのところ不運続きじゃ。 なんで、こんなにわしが怒られなければならないのじゃ? 今日だって、久々に食堂で温かい昼食を食おうとしたら、 食事と一緒にステラの小言が出てきたんだぞ。 美味い飯も不味くなる。 なんでグランが飯を食いに来なくなったのが、 わしのせいじゃと言うのじゃ。 んなこと、アヤツの勝手だろうが。 何でもかんでもわしのせいにしおってからに。 グランもグランじゃ! エルがいなくなった途端に 不摂生な生活をしおって。これじゃあ、妻に逃げられて 何もできなくなった夫と同じじゃないか… ほんにアヤツには困ったもんじゃ。 |
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嘆願書Ⅱ
また弟子たちから嘆願書を貰った。 今回もグランについてじゃ。 エルが助手になってから 体調も仕事も順調らしく機嫌が良いらしい。 確かに顔色は良かったのぅ。 しかも厭味もなく、逆に労いの言葉すら言うように なったとか… わしは、そんな言葉を貰ったことがないぞ(怒) だが、なんでそんなことで嘆願書を貰わねばならぬのだ。 良いことではないか? と思ったら続きがあったわい。 なんでも、言葉と一緒に向けられる笑顔が問題らしい。 って、んなことわしが知るかー!! |
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薬の補充
そろそろニワハジとタチシナを補充した方が良いな。 以前はグランに直接言えば良かったのだが、 エルが来てからは受注用紙を書いて 渡さねばならんとは……なんとも、面倒くさい。 アヤツなら書かなくても何も言われんから 良いのだがのぅ。なぜ、わしの周りにいるオナゴは みんなブチブチ言うのか? はぁ、仕方ない書くとするか。 |
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訪問診療
明日は週1度の訪問診療じゃ。 もっと王都から出たいものだが、そんな時間もない……。 だが昔よりは幾分改善されたはずじゃ。 学園の卒業生たちも方々で開業しとるし、 これからじゃな。 明日に備えて今日は早く寝るとするかのぅ。 そういえば、弟子の中に明日行く村の出身者が いたはずじゃ。 里帰りする暇もないじゃろうから、 一緒に連れて行くことにするかのぅ。 |
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想定外
思っていたよりも、風邪が蔓延しておったわい。 最近、朝晩の気温の差が激しかったからのぅ。 小さな子供や年寄りが、乗り切るには 難しかったのかもしれん。 今回の風邪は熱が高くなるようだな。 これからもっと、患者が増えるだろう。 早いところ、 ニワハジを補充しておいた方がよさそうだな。 帰ったらその足で、グランの部屋へ行くとするか。 |
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書類の山
エルに整理してもらったというのに、 すでに書類の山が3つもできとるのは どういうことなんじゃ? あぁ、これは今日中に提出せんといかん奴だ。 だいたいわしは机に向かっているよりも一人でも 多くの患者を診たいのに……世の中 上手くいかんもんじゃな。 そう言えば、エルにも納品日変更の書類を 渡してやらなきゃいけないんだった……。 もしや、グランよりもわしの方が 助手が必要なんではないじゃろうか? |
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会議
くっそー、あの狸どもめが! 何が授業料増額じゃ! そんなことをしたら、今以上に医者を目指そうとする モンが少なくなるじゃろうがっ!! しかも王都外への訪問診療をするための予算を削減すると ほざきおったわい。 金なんてもんは、 持ってる奴から大量にふんだくればいいんじゃ。 何か対策をせんとな。 おめおめと狸らの言いなりになってたまるかっ! 創設者様だぞ、わしは。 |
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納品日
納期期日を早めた薬草をエルが持ってきた。 いつもに増して楽しそうなエルを不思議に思い、 理由を聞いてみるとシオンがアヤツの部屋に遊びに 来ているらしい。あの坊主め、わしに挨拶する前に グランの部屋に行くとは……。 相変わらずじゃな。 シオンが来たから普段と違うアヤツが見られたと 嬉しそうに話すエルに免じて嫌味を言うだけに しておくかのぅ。 それにしても、シオンごときでアヤツの態度が 変わるはずはないんじゃがのぅ? エルは一体何を見たんだ? |
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シオン
あの坊主め。 すぐに来るかと思えば、1日遅れで挨拶に来おったわい。 しかもわしの顔を見て噴出しおって。 自然と手が出たのは、わしのせいではないぞ。 だが、その後聞いたシオンの話に、わしも腹を抱えて 笑ってしまった。 まさかエルを男だと思っていたとはのぅ。 あー、アヤツの顔を見に行きたい!! しかし今日は時間が取れん。 くっそー、明日までのお預けじゃな。 |
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養い子と孫娘
アヤツのあんな姿、初めて見たわい。 頬を赤らめ、視線は定まらず。 だが、エルが他所を向いているときは、じっと エルの方を見ておる。ありゃ、一歩間違えれば 変質者か何かじゃな(笑) エルはエルで、なぜ何も問わないんじゃ? 明らかに変だろうに……。 普段通りの様子にわしの方が驚いたわい。 はてさて、この二人はこれからどうなるのかのぅ。 老後の楽しみがまた1つ増えたわい。 |
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