ユキうさぎの遠足 その2

(それに、無事大学生になれたのも彼女のおかげなんだよな)


 彼女のめちゃくちゃな行動に振り回されていたから

私大に落ちたことも引きずらずに済んだのだ。

それどころか、浪人決定と半ば諦めかけていたところを励まされ、

本命に合格することができた。


あのとき、うさぎの存在がなかったら自分は今頃プータロー

だったに違いない。

それを考えると彼女には感謝してもしたりないのだが、

どうにも素直に感謝できない。

それもこれも、うさぎを我が子以上に溺愛している母のせいだ。

本命の合格がわかった日に、おめでとうの言葉もなく

「これもお嬢様のおかげよ」とよくわからないことを言われ。

気づいたときには、なぜか彼女の家庭教師になってしまっていた。

そもそも、うさぎは自分よりも頭がいい。

それなのに、週一度家庭教師として彼女の家へ訪問している。

そして今現在、

ユキが出向いている理由もその家庭教師のせいだった。

一つ前を読む   小説の部屋に戻る   次を読む