まどろみの向こう側 ~約束2~ その2

 運命の日。

アルマは銀杏の青葉が揺れる木漏れ日の下、

痩せ細り、今やすっかり年老いていた子供と再会した。

老人はアルマを認めると感極まったように泣き崩れ、

それから震える唇をそのままに、ゆっくりと口を開いた。

 紡がれたのは、ごく短な言葉。

けれど、2人にとってはその一言で充分だった。


 老人は微笑んだ。

それからアルマへ古ぼけた赤いリボンを手渡すと、

その瞳を永久に閉ざしたのである。

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