夕立 3
K-systemさんによる写真ACからの写真

  一



「少し、考えさせてくれませんか?」


 ためらいがちに問うと、叔父は快く承諾してくれる。

そもそも断ろうと思えばすぐにでも断れるものだった。

今は外に出るのも人と接触することも遠慮願いたい、とだけ言えばいい。

叔父はきっとそれだけで解ってくれるだろう。

思いつつも、すぐに断ることが何故かためらわれた。


「じゃあ、とりあえず書類の方は君に預けておくから。
具体的な段取りは行く気になったら改めて話すよ」


 言い置いて叔父は通話を切る。

わたしは受話器を置いて胸元を握り締めると、重い溜め息を吐いた。

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オープニング背景画像: K-factoryさんによる写真ACからの写真